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Body Arts Laboratory :: Blog

高橋智子さんよりメッセージ

山崎広太


WWFes 2009の「アーティストが選んだ公演」で、JOUさんのキュレーションにより選出され、ショーケースを行なった高橋智子さん。
新潟で創作する高橋さんからメールでメッセージをいただきました。


――何故、新潟にこだわるのでしょうか。

東京にこだわる理由も無いからかもしれません。今自分がいる場所を良くしたいという当たり前の欲求なんだと思います。何かの機会にどこかに引っ越すことがあったら、そこでできることを探してると思います。今は、未熟者ながらヨガやピラティスやダンスの仕事をしていて、仕事は勉強になり、とても充実しています。新潟だからこそ、自主練習のための公民館も使い放題で、環境的にはすごくやりやすいです。実家なので、ちょくちょく長期で勉強のための旅に出られるし。ただやりたがりな人がいないだけなんです!

東京から出戻った人がよく言うんですけど、新潟ってなんかすごくおしい気がするんです! 芸術祭や高校ダンスとか盛り上がってるし、もう少しでなんかが弾けそうな気がしてならないんですけど、どうもそこまでいかない。芸術祭と国体の件で、お役所の方から少し話を伺ったのですけど、どの方もそれぞれの民間の組織の閉鎖的な点を指摘されてました。みんないい人なんですけど、愛情深すぎて、自分の子を自由にさせたがらないのか。新潟で公演をやると、ダンスをやってる人がいない分、近所のおばあちゃんとかが見に来てくれる。それで喜んでくれたりする。こういうのって本来あるべき姿なんじゃないかなと思うんです。

――JCDNが地方でのレジデンシーに力を入れていきたいとのこと。

そういうのが増えたらとても素敵だなと思います。新潟も環境はすごくいいところだと思います。東京だけに集まるのもどうなのかなと思うんです。東京に居たときには見えなかったその限界が見えるような気がします。

Noismの公演も、ダンスをしない若者やおじいちゃんやおばあちゃんがいっぱい見に来てるんです。素敵だなぁと思います。いろんな地域にカンパニーができて、市民がダンスや芸術に触れる機会が増えて、そんなことを通して、お金だけに左右されない豊かな社会ができたらなぁと思うんです。なんでこんなにこんなことを思ってしまうのかわからないけれど、新潟という地方に来てみて突然そう思うようになりました。きっとどこに行っても思い続けると思います。

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クラス受講者の小学生と作品発表にむけての練習風景(写真下・手前=高橋智子)


高橋智子[たかはし・ともこ]
新潟生まれ。長野、千葉育ち。幼少の頃より趣味は手芸、読書、お絵描き、小説書き。3才よりピアノ、バイオリン等、音楽を学び、7才よりクラシックバレエを始める。16才よりダンス作品を作りはじめ、日本女子体育大学舞踊学専攻に入学、2004年に卒業。同年、横浜ダンスコレクションに出場。2005年より、インドでヨガを学び、アメリカでピラティスを学ぶ。現在新潟在住。
by bodyartslab | 2010-02-19 00:00 | Essay