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パブリックについての、二つのコメント

山崎広太


佐賀市の福岡加奈子バレエ研究所より、9月に一般の方々へのワークショップの依頼がありました。そういえば、身体を通したこのようなワークショップは、多く行われるといいだろうと思いました。

ダンスは、日常に溢れています。誰でも、すぐダンスすることができます。読書をした時も、お茶を飲んだ後も。ダンスで良い・悪いはありません。僕たちの身体は、踊り方を知っているからです。歩いてみる、歩いて周りの風景を身体で見てみる。ふと立ち止まる。動いている景色と時間に気づき、そこにいる自分の身体をしっかりと感じてみる。このような何気ない行為も、自分の意識や感じ方次第で、れっきとしたダンスになると僕は思います。
身体は、言葉よりも思考よりも、早くそして素直に、物事を人に伝えます。言葉でうまく言えないことでも、身体でなら表現することができます。もやもやした気持ちや、なんだかわからないけどそこにあるものを表出することができるのです。頭だけではなく身体を通して考えることができるようになると、より風通しの良い毎日を送れるようになるかもしれません。身体を使う楽しさや、身体を使った色々なコミュニケーションを学ぶことで、日常の風景が今までとは全く違って見えてくるかもしれません。そして、自分に対しても、周りの人に対しても、もっと興味がわいて、もっと知ることができるようになると思います。

それと、いつも助成金のことを言って憚れるのでありますが、財団がアーティストに対してフェローシップとして助成を設定することは、アーティストがコミュニティのワークショップを通して、ダンスをパブリックへ還元することも含まれていると考えることができ、教育、行政が一体となった助成金のシステムもあってもいいと思いました。
もう一つ、NYに普段住んでいると、東京では、NYに比べてアートフェスティバルはとても少ないです。それを思うと、東京という街を意識したイベントが、もっと行なわれるべきだと思います。それにもっとも適しているものの一つが、site-specific danceです。
site-specific danceが行なわれることによって、市民は自分たちの街を、再認識、意識化します。そうすることで、東京という街に、人々の愛情が少しずつ芽生えることと思います。そのように、東京に住んでいる市民として、街を意識したイベントが多く行なわれることは必要だと思います。BALは、今後、site-specific danceを行なう道をより探っていきたいと考えます。
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by bodyartslab | 2010-08-05 16:26 | Essay